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イスラエルとパレスチナに旅行してみた

2022-09-01

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イスラエルとパレスチナに旅行してみた

2022-09-01

20227月に4日間イスラエルとパレスチナに旅行してきたのでその模様をお伝えします。

イスラエルってどんなところ

中東の危ない国のイメージがありますが、日本以上に経済発展している先進国です。

観光は、聖地や死海など観光資源が豊富で、非常におススメです。危険なイメージもありますが、外務省の危険地域情報が他の西欧先進国と同じ分類で(ガザ地区を除く)、物価が高いことと、出入国審査が厳しいこと(後述)以外は観光に良い国です。

周囲を敵対しているイスラム教国家に囲まれているため、男女ともに徴兵制があり、GDPの約6%(日本は長年1%)を国防費に充てる軍事国家です。

 

イスラエル旅行の見どころ

聖地巡礼できる

観光客が必ず訪れるエルサレムは、キリスト教徒とイスラム教とユダヤ教の「聖地」です。

キリスト教に関しては、イエスキリストの墓が中心都市エルサレムにあり、そこから10km郊外のベツレヘムには生誕の地があります。(キリスト教系幼稚園に通い、キリスト誕生劇をやった私にとって、ベツレヘムの地名は、5歳の時から刷り込まれた地名でした。)

また、ユダヤ教徒の嘆きの壁があり、大勢のイスラム教徒が嘆いているのを見ることが出来ます。

イスラム教に関しては、聖地の岩のドームがあります。

パレスチナに行ける

パレスチナというのは、日本は国として承認していませんが、世界中140か国が承認している「国」です。その「国」に行くことが出来ます。

パレスチナ領とイスラエル領は正式な国境線が「未確定」ですが、イスラエルが勝手に2000年頃に分離壁を作って国境と検問所を作っています。

イメージしにくいですが、パレスチナというアラブ人の国にイスラエル人がイスラエルという国を建国して、2000年頃からイスラエルの主張に基づき壁を作り始めた感じです。

壁を隔てるだけで大きな経済格差があることを感じられます。

パレスチナ問題を経験出来る

「ガザ地区」や「ヨルダン川西岸地域」など聞いたことないでしょうか?

実際現場に行くことで感じることが沢山あります。

パレスチナ人が住んでいたところに、第二次世界大戦後にユダヤ人が来て建国したのがイスラエルです。さらに、国連が定めた国境ラインを超えたパレスチナ領内に「入植地」をつくり、イスラエルの領土だと宣言しています。パレスチナ内を観光バスで走りましたが、領内も塀で囲まれてイスラエル国旗が掲げられた「入植地」をいくつか見ることが出来ました。

また、2000年には自分たちの都合で、分離壁を作りました。分離壁を超えるにはイスラエルが管理している検問所を通過する必要があります。イスラエルの人やクルマはパレスチナに入ることが出来ますが、パレスチナ人はイスラエルに入ることが出来ないです。

イスラエルの言い分としては、パレスチナ領内にいるテロリストや配合のヨルダンから武器が国内に入ってこないようにするためです。ただ、そこに昔から暮らしている人からすると、いきなり自分が住んでいた町に壁が出来た感じです。

 バクシーホテルに宿泊できた

ベツレヘムに世界的アーティストのバクシーがデザインしたホテルがあり、宿泊しました。

その名も「世界一眺の悪いホテル」で、分離壁の目の前に立っています。

デザイナーホテルになっていて、とても面白いです。

 中にはパレスチナサイド視点の博物館があったり、ホテル主催の分離壁に関するツアーがあり、興味深かったです。もし宿泊された場合は、ホテル主催のツアーに参加すると興味深いです。

 死海を体験できた

塩分濃度が高くて体が浮いてしまう死海もエルサレムから1時間くらいで行けます。

実際に体験してみると、とても不思議な感覚です。

また、塩分で肌がツルツルになります。

あと、死海のまわりが砂漠になっていて、今までに見たことないような雄大な景色が広がっています。

死海とセットとなったロープウェイにのる遺跡ツアーに参加しました。公共の交通機関では行きにくいので、多少お金がかかってもツアー参加がおススメです。

 イスラエルの不便なところ

土曜日に電車・バスが止まる

ユダヤ教徒の教えで、金曜の日没から土曜の日没まで動いては行けないそうです。そのため、商店や電車・バスもすべて止まります。

バスや鉄道は、金曜午後から減便が始まり、日没までに運航が停止します。土曜日は、日が沈んで運行準備が整う21時過ぎから運航を再開する徹底ぶりです。

観光で行くなら土曜日は出来るだけ避け、土曜に被る場合は郊外に行くツアーを組み入れた方がいいです。私はそうして回避しました。

この戒律は、宗教都市エルサレムではかなり徹底されているものの、経済都市のテルアビブでは比較的緩く、開いている店も見かけました。

  

入国と出国が厳しい

私は、スイスからイスラエルのテルアビブ空港に向かいました。出発するときにテルアビブ行きだけ、特別なレーンがあり、簡単な面接をセキュリティチェックがを受けました。

イスラエルでは、「テルアビブ空港銃乱射事件」という空港で銃を乱射するという恐ろしいテロを日本赤軍が約50年前にやったので、日本人に厳しいと言われています。入国の際は、目的などを英語で聞かれました。他国入国時に日本人のパスポートを見せれば入国審査で細かく聞かれることは稀ですが、それなりに質問されました。

出国の際は、過去にないレベルで面倒でした。チェックイン手続き後に、専用のカウンターで「チェック」を受けて、搭乗券にスタンプを押さないと搭乗券を受けられない運用でした。日本赤軍を50年前に乱射事件起こしている日本人だからか、私が不審者に見えたのか、かなり厳しく聞かれました。目をそらさず質問されて、圧迫しながら目の動きで心理状態を読んでいるようでした。なぜ来たのか、どこに住んでいるか、これからどこ行くかなど、人生で一番緊張する英語面接でした。YouTuberが別室で日本語のチェック表を基に質問されたとYouTubeで見ましたが、なかなか緊張するものでした。

物価が高い

物価が感覚的に日本の2倍です。

紛争地域で経済発展しているイメージがありませんが、イスラエルの1人当たりのGDPは日本を超えています。

中国人の経営している中華料理屋でチャーハン食べたら3000円超でした。

ホテルは、シェラトン等に泊まると1部屋10万円超えて、安宿選らんでも1部屋2万円くらいしていました。

タクシー代や電車などは日本と同じくらいの感覚でした。

バックパッカーとして旅行するには結構辛そうな目的地です。

 

 イスラエル観光のススメ

 イスラエルは人口が900万人程度で、約1400万人の東京都より少ないですが、国際政治で重要な国です。日本人が殆ど住んでいないエルサレムに、NHKや大手新聞社が支局を置いていることからも重要さが分かります。

繰り返しになりますが、スイスと並んで物価が高い観光地です。ただ、他の観光地にはない、現代の政治や歴史を考えることのできる国です。4日間いましたが、中華屋以外で一人もアジア人に会うことがありませんでした。あと、子連れの観光客もいませんでした。見どころがたくさんあり、高いお金出しても行ってよかったと思えました。国際政治や歴史や珍事が好きな方は、是非行ってみてください。

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