ニッチですが、フランスの新幹線、TGVにコスパよく安く乗る方法を解説します。後半では、SNCF(フランス国鉄)の割引会員CarteAvantageの攻略方法を解説します。
<TGVに安く乗る方法>
- 旅行エージェントではなく、SNCF(フランス国鉄)の公式サイトやアプリから予約する。
- 出来る限り早く予約する。
- TGV OuiGOを利用する
- 割引カード(Carete Avatage)を使用する。
1,旅行エージェントではなく、SNCF(フランス国鉄)の公式サイトから予約する。
旅行会社を使うと、手数料が発生するため、安くありません。また、日本以上に遅れや運休が頻発するので、その際の情報収集も公式サイト経由の予約の方が迅速です。公式サイトでは、英語は完全にサポートされているので、英語で確認したり、Google翻訳を使えばすぐに予約できます。
公式予約サイトは、SNCF CONNECTです。このサイトは、すべて英語対応していて、日本のクレジットカードや携帯電話で会員登録できます。
2,出来る限り早く予約する
ヨーロッパの高速鉄道は、いつ買っても基本的に値段が同じな日本の新幹線と異なり、飛行機のように旅行時期と予約時期により価格が異なります。予約時期が決まれば早く予約した方がお得です。
特に、後述の割引パスを使うと、需要によって値段が大きく上がる航空機と違って、連休中でも一定の金額以下で乗れるので、航空機より早く人気の行楽地へ向かう便は満席になってしまいます。とにかく早く予約することがおススメです。
また、購入時によく確認頂きたいですが、公式サイト買えるチケットの場合、一部のセールチケットを除き、乗車8日前までキャンセルが無料です。
3,TGV Ouigoを利用する
TGV版LCC(格安航空会社)です。同じ高速鉄道で、通常のTGVと同じ区間を運転しますが、水色の専用の格安車両で運転されます。運行区間は、パリを起点にリールやストラスブールなどの主要区間だけです。料金は、閑散期だと20€程度で500km以上移動できます。LCC同様に手荷物に料金がかかったり、運行時間が変な時間だったりします。前述のSNCF Connectでも予約できます。
価格に拘りたい人は、公式サイトから目的地を確認して、時刻を確認してみてください。
4,SNCFの年間会員券、CarteAvantageを使用する
年間49€を支払うことで、購入できるフランス国鉄の会員券です。一人片道だけで、割引額が49€超えることが多いです。ある記事によると、TGV利用者の50%以上がこの会員券を使っているそうです。
TGVで1往復でも乗車予定があれば、このCarteの会員になることを検討してください。
A,CarteAvantageとは?
SNCF(フランス国鉄)が提供している会員割引サービスです。年会費を支払い、公式サイト・アプリのSNCF Connectで登録すれば、即日割引が適用されます。年齢別に3種類に分かれますが(違いは後述)、共通するのは下記です。
- 運賃が通常購入(予約状況に基づき設定される運賃)の30%引き、同乗の子供は大人割引運賃の半額
- 8日前まで変更・払戻手数料無料。それ以降は、乗車直前まで1人1列車につき手数料19€
- ドイツ、スイス、イタリア直通のTGVが30%引き(上限運賃の適用対象外)。ロンドン行きユーロスターや、ブリュッセル行きタリスは対象外。
- 2等車では、割引後の運賃が上限運賃(下記表)を上回ると、上限運賃になる。
乗車時間 | 例(パリからの目的地) | 上限運賃 (12歳以上) |
上限運賃 (3歳以上11歳以下) |
1.5時間以下 | リール、レンヌ | €49 | €19 |
1.5時間~3.0時間 | リヨン、ストラスブール | €69 | €39 |
3.0時間以上 | マルセイユ、ニース | €89 | €49 |
(例)パリ~ストラスブールは、2等車の運賃が繁忙期や乗車直前に最大115€になります(SNCF規定の最大運賃)。CareteAvatangeを使って、3割引きにすると81€ですが、Carteの上限運賃が69€なので、運賃が69€になります。
B,年齢ごとの購入できるカードの違い
年齢ごとに対象となるカードが異なります。若者向けとシニア向けは、いつでも割引が効くのに対し、同行者への割引がありません。
名称 | Carte Avantage Adulte |
Carte Avantage Jeune |
Carte Avantage Senior |
年齢 | 27歳から59歳 | 12歳~26歳 | 60歳以上 |
割引対象期間 | ・土日のみ。祝日は対象外。 ・子供同伴なら全日 ・往復同時購入で片道が土日なら往復割引適用 |
全日 | |
同行者 | 大人1名と子供3名 | 子供3名 大人の割引なし |
C,CarteAvantageの購入方法
購入は、SNCF Connectのホームページかアプリから申し込みます。おススメなのは、チケットの印刷も不要になる、スマホのアプリで購入も乗車も実施することです。
購入の仕方
「Catalogue」のタブに進むとCarteの案内が出てきます(パソコンHPもアプリも共通)。ここで購入するCarteを選んで、購入します。
購入するとPDF版の会員証と、会員番号がメールですぐに届きます。次にこの番号を自身のSNCFアカウントに登録します。
SNCFアカウントへのCarteの会員番号の登録方法
「Account」を選択すると「Your discount and loyality card」を選択して、所定の案内に従って会員番号をセットアップします。一度セットすれば購入のたびに割引が展開されます。
会員登録後の購入画面
割引が効くと、正規額と割引後の運賃が表示されます。下記区間の場合、Carteなしだと115€の運賃が、59€になり、56€割引されています。1人で片道乗るだけで、Carteの代金より大きな割引を受けられています。
E,CarteAvantageの攻略方法
1,(Carte Avatage Adulte限定)土日を往復に含ませる。
27歳以上59歳以下のAdulteの場合、ジュニアやシニアと異なり、子供と同行しないと、平日に割引運賃が適用されません。
しかし、往復で購入する際に、片道だけでも週末を含むと、往復とも割引が適用されます。週末を挟んで移動すると、劇的に安くなります。
土日ではない休日は対象外なのでご注意ください!
2,直通列車で購入する
乗継便ではなく、直通列車を購入した方が、予約変更や払い戻しの際に有利です。
TGVは日本の新幹線のように、目的地から出発地まで通しではなく、一列車ごとの運賃が設定されます。例えば、パリからフランス東部の商業都市ミュールーズまで購入する場合、直通列車とストラスブールまでTGVでその先を在来線を乗り継ぐルートが出てきます。在来線区間もCareteAvantageで25%~50%引きになりますが、この在来線区間が変更不可の運賃になります。
CarteAvantageで購入した場合、TGV区間を出発8日前から出発直前まで手数料19ユーロで、払い戻し・変更が出来ます。しかし、在来線区間は変更・払い戻し不可で戻ってきません。
3,正しい名前・区間で購入する
CarteAvatangeは子供と同行したことにしたり、年齢を偽ると大幅に運賃が変わります。ただ、ちゃんと購入した方が良いです。TGVには車内検札が頻繁に来て、外国人に対しては身分証明書の提示を求められることがしばしばあります。チケット購入時に生年月日とフルネームを登録しているので、それから違うと不正乗車として扱われます。
10年以上前ですが、私が卒業旅行でTGVに乗車した際、プリントしたE-ticketと学生証を見せても、パスポートと購入した時のクレジットカードを見せろと車掌迫られたことがあります。不要なトラブルを避けるために正しく購入しましょう。
まとめ
繰り返しになりますが、TGVは日本の新幹線と異なり、予約時期や乗車時期により料金が大きく変動します。また、CarteAvantageで劇的に安くなります。是非予約方法を攻略してください。Bon Voyage!