上場企業の多くに持株会があり、給与天引きで勤務先の株式を持てる制度があります。これはやめた方が良いと思います。
持株会とは
従業員の給与から天引きで、勤務先やその親会社の株式を共同購入する仕組みです。2019年の東京証券取引所の調査では、下記特徴があります。
従業員の持株会
・上場企業の9割で導入されている
・制度がある企業社員の約4割が加入している
・導入企業で5%~10%の奨励金が会社から支給される
持株会に入ってはいけない3つの理由
人生のリスクのレバレッジを上げることになる
経営危機になった会社を思い浮かべれば分かると思いますが、リストラや給与カットと自社株の株安は、同時に来ます。
例えばコロナ禍で大ダメージを航空会社は、年収の3割以上のカットが実施されています。そんな中、株価も概ねコロナ禍前の半額程度になっています。給与カットやリストラと、自身の資産の棄損が同じタイミングで来るのは、リスクが高すぎます。
奨励金(会社補助)が課税所得
仮に10%の奨励金が出る中で株を取得した場合、1万円分を持株会で拠出すると、1,000円の奨励金が補助されます。
しかし、国税庁のHPで奨励金は、給与所得(課税所得)になると記載されています。

奨励金を受け取っても、所得税・住民税・社会保険料・厚生年金の算出対象になります。年収500万円の人では概ね4割弱課せられます。仮に1,000円分の奨励金受け取っても、400円税や社会保険料が増えるので、実質600円の補助になってしまいます。
特に0歳~2歳の子供を保育園に通わせている人は、保育園料が上がります。所得税・住民税より保育園料が高いので、注意しましょう。(*保育園料は自治体により大きく異なるので、お住いの市区町村の制度をご確認ください)
奨励金の金額だけを見て判断しないようにしましょう
従業員がどんなに頑張っても会社の業績は変わらない
自分が頑張を、給与だけでなく株価でも受け取ろうという発想もあります。しかし、社員一人の頑張りで株価に影響することは、ほぼないです。
持株会は、経営者にとってメリットが大きい
社員目線では、メリットが少ない持株会ですが、経営者にとってはメリットが大きいです。最大の理由は、安定株主になるためです。
経営者は、面倒な株主を恐れています。旧村上ファンドのようなアクティブな株主が、株主名簿に載ると、震えあがります。乗っ取りまでなくとも、株主総会で役員選任される際の賛成率も気になります。
持株会は、間違いなく会社提案の議決権に賛成を投じます。また、外部からの敵対的TOB(公開買い付け)受けても、絶対に応募しません。経営者にとって、枕高くして寝られる、安定株主になってくれます。

持株会は会社に全人生を捧げる昭和の仕組み
持株会は、従業員に給与も資産も会社に捧げる仕組みです。終身雇用で右肩上がりの成長が約束された時代の名残とも言えます。
上場前のベンチャー企業で、ストックオプションを支給されている人も、役員でもない限り、そんなおいしいオプションを配られないです。また、仮に上場出来ないと大損になります。
持株会制度を利用する際は、冷静になって考えましょう。