福利厚生として導入されているカフェテリアポイント、年度末に慌てて旅行や自社商品に交換していませんか?税金や社会保険料に注意した、コスパの良い使い方を紹介します。
カフェテリアポイント(プラン)とは?
カフェテリアとは、客が好みの料理を選べるレストランを指します。福利厚生のカフェテリアポイント(プラン)とは、会社が年間数万円のポイントを社員を付与して、そのポイントの中で社員が好きな福利厚生サービスを選択することが出来る制度です。
社員によって、自己啓発の英語の勉強に使ったり、旅行に使ったりできるようになっています。近年、社員満足度向上や保養所を手放したい企業が導入しているようです。
この制度を使う上で、人事が教えてくれない、お得に使う方法を解説します。
その1:非課税のメニューに全力で寄せる
カフェテリアプランには、所得税の課税対象になるものと、非課税になるものがあります。勤務先から配布されるガイドに課税・非課税の分類が必ず記載されているので、よく確認ください。
カフェテリアプランの福利厚生には、所得税の課税対象になるものと、対象外のものが混在すると国税庁にHPに記載されています<リンク>。ただ、課税非課税の条件が複雑で、同じメニューによっても企業間で課税と非課税で分かれます。勤務先の案内を参照ください。
一番人気の旅行代補助は、基本的に課税対象です。一般的に非課税となるのは、下記2つです。
非課税となるメニュー1:食事代補助
食事代補助は、国税庁のルールにより月に3,780円までが会社からの補助が非課税になります。会社によってチケットレストランへチャージや、食事代補助をカフェテリアプランで選べると思います。非課税の食事代補助は、全力でチャージしましょう。
チケットレストランの使い方は、下記記事でお得な使い方を紹介しています。
非課税となるメニュー2:医療費補助
医療費の一部を福利厚生とみなして、非課税に分類する企業が多いようです。この制度を導入している企業は、インフルエンザの予防接種も非課税扱いに分類しています。花粉症やコンタクトレンズ取得の通院にも使えるので、是非活用しましょう。
その2:社会保険料が上がらないよう、3月~6月に申請しない
会社から天引きされる健康保険料や年金は、4月~6月に受け取る給与をもとに算出される「標準報酬月額」で、その年の7月から翌年6月の保険料が決まります。所得税以上にこれを意識する会社員が少ないです。日本年金機構に勤務する友人によると、社会保険の仕組みをよく理解している年金機構の職員たちは、皆あからさまにこの期間に残業しないように気を付けるそうです。
カフェテリアプランで受け取る、旅行代補助などのポイントは、一般的に標準月額報酬の算出対象になります。つまり4月~6月の給与としてカフェテリアポイントを受け取ると、その年の7月から翌年6月までの社会保険料が上がってしまいます。
ポイントが課税所得になるのは、申請の翌月の給与になります(詳細は、ご自身の福利厚生ガイドブックを参照ください)。つまり、3月~5月は出来る限りポイントの申請を避けるべきです。年度末(多くの企業で3月)に慌てて課税対象のポイントを使い切るのは愚の骨頂です!
その3:ポイントに関係なく支出するものにポイントを使う
出来る限りポイント消化のために何かをするのではなく、ポイントに関係なく支出するもにポイントを使いましょう。
私の勤務先では、子供の進研ゼミの通信講座が、子育て支援メニューに入っているので、子供の進研ゼミ費用でポイントを消化しました。また、確定拠出年金のマッチング拠出へもポイント付与の対象だったので、そちらに大部分を使いました。
カフェテリアプランで一番多い利用先は、旅行のようですが、ベネフィットステーション等運営会社の商品に限定されることがあります。楽天トラベルやヤフートラベルの方が安いことがあるので、無理して旅行で消費せず、自身が必ず使用する費用をポイントで消化しましょう。
その4:とにかく領収書に乗せて精算する
ホテルの宿泊料や英語学習の授業料を自分で払い、領収書をカフェテリアプラン運営会社に送付してキャッシュバックを受けることが出来ます。この制度を使えば、精算範囲を拡大することが出来ます。
例えば宿泊でディズニーランドに行く際、福利厚生ルールではディズニーランドチケットや交通費は対象外になっている会社が大部分だと思います(もしチケットをOKにすると換金する奴が出るため)。しかし、ホテル宛にディズニーランドチケットや新幹線の領収書を発行すると、ホテルが領収書をまとめてくれます。この方法を使えば、宿泊料以外の旅行代金をカフェテリアポイントで精算できます。
語学学習でも、語学学校に交渉して、電子辞書の領収書を語学学校宛に発行して、語学学校の教材費の一部として、まとめて福利厚生の一部に組み込むこともできます。
ちょっとマニアックでグレーですが、興味があれば自己責任で実施してみてください。
その5:年度末にポイントが残ったら3月ではなく、6月に利用する
「その3」にて、年度末(多くの企業で3月)にポイントをまとめて消費すると、標準月額報酬が跳ね上がるので、避けるべきだと紹介しました。仮に年度末に気づいた場合のおすすめ、6月に精算することです。
ポイント精算できるのは、付与された年度に限定していますが、ポイントの申請期限を6月末に設定していることがあるようです。筆者の会社もそうです。
3月には、ポイントの使い道だけ決めておき、ポイントの申請を翌年度の6月に実施すれば、課税月が7月となり、ダメ絶対の4月~6月の給与増加を抑制できます。
人事は教えてくれないカフェテリアプランの使い方
カフェテリアプラン、何も考えずに年度末の3月にカフェテリアプランで自社製品を買って、メルカリで売却して現金化したと喜んでいると、課税と社会保険料の跳ね上がりで、実質損ということが起こりえます。是非この記事を参考に、賢いカフェテリアポイントの買い方を実践してみてください。